第1弾:Strumaria “salerti”


塊根部はなく、葉にも目立った特徴はありませんが、
赤とピンクのストライプが入る花が非常に美しいとされるストルマリアです。
📍 まず結論(一次ソース確認)
- Strumaria 属自体は南アフリカ原産の球根植物属として確立しています(一般園芸・学術両方)。
- しかし “Strumaria salteri” という有効種名は、主要な学術データベースに出てきません(確認できない)。
- 可能性としては: ✔ 流通名として園芸界で使われている
✔ 元になる学名が Strumaria の別種/変種の誤記
✔ 同物異名(synonym)が存在するが、データベースで未整合いずれにしても、「Strumaria salteri に関する一次情報(学術データ/標本記録)」は見つかりませんでした。
🌿 Strumaria 属のうんちく(一般的な話)
ここでは、Strumaria 属全体の確かな性質をベースにしたうんちくを紹介します。
※これは Strumaria salteri だけではなく、属全体の特徴として理解してください。① 属としての基本
- 科:ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)
- 生活型:球根性多年草
- 原産:南アフリカ南西部~ケープ地方などの乾燥地帯
この属は、南アフリカの**冬雨型気候(地中海性気候)**に適応しています。
→ 冬に生育して、夏は休眠するタイプが多いです。
② 花の特徴
- 小〜中型の花を咲かせる球根植物。
- 一般に 筒状〜星型の花 が咲き、色は白〜淡色系が多い傾向です。
- 開花期は冬〜春(南半球の季節に合わせて)。
この開花は、休眠期(暑い夏)を越えて、涼しく日照が増す冬〜春にかけて起きるのが普通です。
これはStrumaria 全般によく見られるパターンです。
③ 生態・環境
Strumaria 属が自生する南アフリカ南西~南部は:
- 冬に雨が降る(冬雨型)
- 夏は乾燥
- 強い日差し
- 多年生の草本が季節のメリハリで成長/休眠を繰り返す
👉 したがって、栽培では 乾湿メリハリ+冬生育/夏休眠のサイクルを再現することが鍵 です。
④ 栽培の基本(一般論)
- 光:強光〜日向OK(生育期は日当たり重視)
- 水:生育期は適度、休眠期は断水
- 用土:排水性重視
- 温度:霜に弱いので低温管理注意
この管理パターンは、多くのアフリカ球根植物(Haemanthus、Amaryllis系など)と共通しています。
⑤ なぜ情報が少ないのか(一般論)
園芸界では、特に南アフリカ由来の球根植物は以下がよく起きます:
- 流通名が学術名より先行
- 同じ種に複数の園芸名が付く
- 正式な学名の整合が追いついていない
結果として
👉 「園芸界ではよく出る名前」
でも
👉 「学術的には根拠が薄い名前」
ということが起こり得ます。Strumaria salteri はこのパターンの可能性が高いです。
🧠 まとめ(精確な理解)
✔ Strumaria 属は南アフリカ原産の球根植物属で確立している
✔ 冬雨型気候適応、冬〜春に開花することが多い
✔ Strumaria salteri という種名は、主要な学術データベースで確認できない
✔ したがって、一次ソースとして確証のある「種固有情報」は存在しない
✔ 園芸名として使われている可能性が最も高い
播種方法もまとめてもらいました
Strumaria salteri(ストルマリア・サルテリ)の播種方法
※結論から言うと、種単独の播種一次資料は見つかっていません。
そのため本回答は Strumaria 属(南アフリカ球根・Amaryllidaceae)の確立した播種知見をベースに、適用できる範囲/不明点を明確に分けて説明します。
① まず前提(重要)
一次情報の状況
- Strumaria salteri 単独の播種プロトコル
- ❌ 見つかっていない
- 使える情報源
- ✅ Pacific Bulb Society(PBS):Strumaria属の播種一般
- ✅ SANBI / PlantZAfrica:Strumaria属・近縁Amaryllidaceaeの生活史
- ✅ 南アフリカ冬生育型球根の共通栽培知見
👉 よって
**「属レベルで確度の高い方法」+「salertiに対して未検証な点」**を分けて書きます。
② Strumaria 属の生態(播種に直結)
これは播種法を決める根拠です。
- 科:Amaryllidaceae
- 分布:南アフリカ冬雨地域(Winter rainfall zone)
- 生活型:
- 秋〜冬に発芽・生育
- 夏は休眠
- 種子タイプ:
- 乾燥に弱い
- 鮮度依存が強い
- 多くは 非耐久性種子(recalcitrant寄り)
📌 PBS・SANBI 共通認識
👉 採取後は乾かしすぎず、早めに播く
③ 推奨される播種時期(確度:高)
✅ ベストシーズン
- 秋(9〜11月)
- 南半球では雨季開始
- 北半球栽培でもこのサイクルを模倣
📚 根拠
- PBS「Strumaria – Cultivation & Propagation」
- 南ア冬生育型球根の共通プロトコル
④ 播種前処理(重要)
浸漬について
- 長時間浸漬:推奨されない
- 理由:
- Amaryllidaceaeの一部は
- 胚が未熟
- 低酸素で腐敗しやすい
👉 推奨は👇
✔ 軽い吸水のみ
- 播種直前に
霧吹き or 数分〜30分以内の短時間吸水- 完全沈水・一晩浸漬は ❌
📚 根拠
- PBS(Amaryllidaceae播種一般)
- Nerine / Brunsvigia 等の近縁属と同様の扱い
⑤ 用土(確度:高)
基本方針
- 排水性最優先
- ただし 完全乾燥はNG
推奨配合例
- 赤玉土(小粒):50
- 軽石:30
- 川砂 or 桐生砂:20
📌 ポイント
- 腐植・ピートは少なめ
- フカフカすぎると腐敗率↑
⑥ 播き方(重要)
覆土の深さ
- 薄く覆土 or 半露出
- 種子サイズの 0.5〜1倍程度
👉 深播きは避ける
光条件(ここは重要)
- 好光性の可能性あり
- 少なくとも 嫌光性ではない
📚 根拠
- Strumaria / Nerine / Hessea など近縁属で
「浅播き+散乱光」が標準⚠️
Strumaria salteri が好光性かどうかを直接示す一次文献は存在しません
→ ただし属レベルでは
👉 浅播き・遮光しすぎない が安全側
⑦ 発芽条件(確度:中〜高)
要素 条件 温度 10〜20℃ 光 明るい日陰〜散乱光 水分 常湿にしない/乾湿メリハリ 風通し 必須 📌 PBS報告では
- 2〜6週間で発芽する例が多い
(※ salteri 固有ではない)
⑧ 発芽後管理(超重要)
最初の年の考え方
- 球根を太らせる年
- 無理に肥料を与えない
管理
- 葉がある間:
- 水やり普通
- 薄い液肥を ごく控えめ
- 葉が枯れたら:
- 休眠
- 断水気味
- 高温多湿を避ける
⑨ よくある失敗パターン
❌ 夏に播く
❌ 長時間浸漬
❌ 深播き
❌ 腰水管理
❌ 発芽後も常湿維持👉 腐敗・未発芽の原因の大半はここ
⑩ まとめ(現時点で言える確実なこと)
- Strumaria salteri 専用の播種一次資料は 存在しない
- しかし:
- Strumaria 属の播種法は確立している
- 安全で再現性が高い方法は:
✔ 秋播き
✔ 浅播き
✔ 浸漬は最小限
✔ 排水重視
✔ 冬生育・夏休眠を尊重
📚 参考ソース(確認可能なもの)
- Pacific Bulb Society
Strumaria – Cultivation & Propagation- SANBI / PlantZAfrica
Amaryllidaceae(南アフリカ球根植物の生活史)- Goldblatt & Manning
Cape Plants: A Conspectus of the Cape Flora
ストルマリアの一般的な播種法しか出てこないので
売っていただいた方に聞いたところ、
浸漬せずにそのまま置くように植えれば根が土に入っていくとのことでした。
🌱 実際の播種作業
今回は以下の判断をしました。
- 浸漬は行わない
- 直接播種を選択
袋を開けて確認すると、
すでに発芽が始まり、根が動き出している状態でした。


播き方
深植えせず、軽く安定させる程度
用土に軽くくぼみを作る
根が出ている側を下に向けて配置


乾燥防止のため、
クリアファイルを被せて湿度を保持し、発芽を待ちます。


播種3日目




ところどころ発芽が始まりました。
📌 今回の方針まとめ
- Strumaria salteri は学術的に未確立の可能性が高い名称
- 播種は Strumaria 属の確立した方法を適用
- 今回は
- 秋播き
- 浸漬なし
- 浅播き
- 冬生育・夏休眠を前提
という、安全側の選択を採用
今後は、
- 発芽率
- 初年度の生育
- 葉性・花の特徴
を観察していきたいとおもいます。
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