— 静かな南ア冬雨球根を、静かに待つ —
南アフリカ冬雨地帯原産の球根植物
Lachenalia angelica(ラケナリア・アンジェリカ) を播種しました。
ラケナリア属の中でも派手さは控えめで、
淡色の花・透明感のある花被・おとなしい草姿が特徴の種です。
種小名 angelica は「天使のような」「清らかな」という意味で、
この属の中では確かに“清楚担当”と言える立ち位置だと思います。


🌱 ラケナリア・アンジェリカ
Lachenalia angelica の植物うんちく
📌 基本情報(確度:高)
- 学名:Lachenalia angelica
- 科:ヒアシンス科(Hyacinthaceae)
※APG体系では キジカクシ科(Asparagaceae)ヒアシンソイデ亜科- 属:Lachenalia
- 原産:南アフリカ(主に冬雨地帯)
- 生活型:球根性多年草(冬生育型)
👉 ラケナリア属は南アフリカ固有度が非常に高い属で、園芸的にも分類学的にも「南ア冬雨植物の代表格」。
🌸 種小名 angelica の意味
- angelica =
「天使のような」「清らかな」「優美な」これは形態的特徴から付けられたと考えられます。
- 淡色系の花色
- 透明感のある花被
- ラケナリア属の中では比較的「柔らかい・繊細」な印象
👉
派手さより“清楚さ”を評価された種名。
🌿 形態的うんちく
■ 球根
- 小型〜中型
- 年々少しずつ肥大
- 分球するが爆発的ではない
👉
「増えすぎない」タイプで、
コレクション向き。■ 葉
- 2枚が基本
- やや肉厚
- 緑色〜淡緑色
- 種によっては斑や色味の個体差あり
ラケナリア属全体の特徴として、
葉の質感や色が分類の手がかりになることが多い。■ 花
- 総状花序
- 下向き〜斜め下向き
- 筒状〜鐘形
- 色は
- 白
- クリーム
- 淡黄
- 淡ピンク
などの淡色系👉
同属の派手色種(L. aloides など)とは対照的。
🌍 自生環境とうんちく
■ 自生地の特徴(属レベルで確実)
- 南アフリカ冬雨地帯
- 冬:涼しく湿潤
- 夏:高温・乾燥
つまり:
- 冬に葉と花
- 夏に完全休眠
👉
日本の「夏多湿・冬乾燥」とは真逆。
🧠 生態戦略の面白さ
① 冬にしか動かない「逆張り植物」
多くの植物が活動を控える冬に:
- 発芽
- 展葉
- 開花
を一気に行う。
👉
競争相手が少ない季節を選ぶ、
非常に合理的な戦略。
② 派手さを捨てた送粉設計
ラケナリア属には:
- 赤・黄・オレンジの派手種
- 淡色・地味種
が混在します。
L. angelica は後者。
これは:
- 強烈な視覚アピールより
- 近距離送粉(昆虫)重視
の設計と考えられています。
③ “コレクター向け”気質
- 巨大化しない
- 増えすぎない
- 花が控えめ
- 葉も暴れない
👉
「万人受けはしないが、
分かる人には刺さる」タイプ。
🌱 栽培的うんちく(一般論・安全側)
※ angelica 固有の論文ベース栽培法は少ないため、
ラケナリア属の確立した園芸知見から。
- 光:明るい日向〜半日陰
- 水:生育期は乾いたら給水、常湿NG
- 用土:排水性重視(砂・軽石多め)
- 温度:5〜20℃が生育適温
- 夏:完全休眠、断水気味
⚠️ 不確定点(正直に)
- Lachenalia angelica 単独の
- 送粉者詳細
- 自家受粉可否
- 野生個体群の詳細分布
👉
属レベルでは分かっているが、種単位の一次資料は乏しい。これはラケナリア属全体の課題。
🧩 うんちくまとめ
- 冬に咲く、南アの“静かな球根”
- 派手さより透明感
- 競争を避ける合理主義
- 増えすぎず、主張しすぎない
- コレクター向けの性格
一言で言うと:
「ラケナリア界の“清楚担当”」
🌱 ラケナリア・アンジェリカ
Lachenalia angelica の播種方法
※ L. angelica 単独の播種論文・専用プロトコルは見つかっていません。
そのため以下は Lachenalia 属(特に南ア冬雨型ラケナリア)の一次〜準一次情報に基づく標準播種法 です。
(=確度は「属レベルで高」、種固有での差異は未確認)
📚 参照できる信頼性の高い情報源(共通)
- SANBI / PlantZAfrica(Lachenalia 属解説・播種指針)
- Pacific Bulb Society(PBS)– Lachenalia sowing notes
- Kew – Lachenalia cultivation notes(属レベル)
- 南アフリカ球根専門ナーサリーの実生報告(複数一致)
👉 これらはすべて
「冬雨型ラケナリアの播種はこうする」
という点でほぼ一致しています。
🌍 前提条件(重要)
- 冬生育型(Winter-growing bulb)
- 発芽は低温期に起こる
- 高温・多湿は致命的
つまり
👉 日本では「秋〜初冬播種」が正解
🧪 播種前の下処理
■ 種子の状態
- 黒〜暗褐色
- 小型・軽量
- 休眠は弱い〜ほぼ無いとされる
■ 浸漬(重要ポイント)
✅ 基本:浸漬は不要
これは複数ソースで一致。理由:
- 種皮が硬くない
- 冬雨型で「即発芽前提」の設計
❌ 長時間浸漬(12h以上)は推奨されない
→ カビ・腐敗リスク増大📌 どうしてもやるなら
- 乾燥種子を軽く霧吹きで湿らせる程度
🌱 播種時期(日本)
地域 推奨時期 関東以西 10月〜11月 冷涼地 9月下旬〜10月 温室管理 10〜12℃に入る時期 👉 「気温が下がり始める=発芽スイッチ」
🪴 用土(超重要)
■ 基本配合(実績ベース)
- 赤玉土(小粒):5
- 軽石(小粒):3
- 川砂 or 桐生砂:2
👉 排水性>保水性
理由:
- 冬雨型だが「常湿」を嫌う
- 腐敗の主因は水分停滞
※ 市販の「球根培養土」は
👉 水持ちが良すぎて 不向きなことが多い
🌾 播き方
■ 覆土
- 種子の 1〜2倍の厚み
- 深植えしない
PBS・SANBIともに
👉 浅播き推奨■ 配置
- ばら播き or 条播き
- 密集させすぎない(カビ防止)
💧 播種後の水管理
初期(播種〜発芽)
- 最初に一度だけしっかり潅水
- 以後は
表面が乾いたら軽く給水❌ 腰水
❌ 常湿
❌ 受け皿水溜め👉 「湿らせる」≠「濡らし続ける」
🌡 発芽条件
- 温度:10〜15℃
- 光:弱〜中光量(暗黒不要)
▶ 好光性・嫌光性について
📌 ラケナリア属は「中性〜弱好光性」
- 完全暗黒:不要
- 強光直射:不要
- 明るい日陰〜拡散光:最適
👉 覆土は必要だが
👉 光が当たる環境で発芽する
⏱ 発芽までの期間
- 2〜4週間:一般的
- 低温安定環境では
1か月以上かかる例も普通👉 遅くても異常ではない
🌱 発芽後の管理(重要)
■ 双葉〜本葉期
- 非常に小さい
- 球根は初年度は米粒以下
👉 絶対に:
- 掘らない
- 乾かしすぎない
- 肥料を与えない
■ 肥料
- 初年度:不要
- 2年目以降、薄い液肥をごく少量
☀ 光管理(発芽後)
- 明るいが直射を避ける
- 徒長しやすいので暗すぎもNG
💤 夏越し(超重要)
- 葉が自然に枯れたら
👉 断水〜極少水- 高温期は完全休眠
👉 夏の管理失敗=全滅の最大要因
❗ よくある失敗
- 浸漬しすぎ
- 播種が早すぎ(高温)
- 腰水管理
- 発芽しないと掘り返す
- 夏も水を与える
🧠 まとめ(短く)
- 浸漬:基本不要
- 秋播き・低温発芽
- 浅播き・高排水
- 好光性でも嫌光性でもない
- 夏は断水が命
一言で言うと:
「冬雨を再現できれば、ラケナリアは素直」


種子の状態と第一印象
今回入手した種子は、
・黒〜暗褐色
・かなり乾燥していてカリカリ
・ピンセットで強くつまむと砕ける
という状態。
いわゆる硬実種ではなく、
乾燥しすぎるとダメージを受けやすいタイプに見えます。
実際、播種してしまうと
「もうどこにあるかわからない」サイズ感です。


こちらも播種するともうわかりません。


播種後の管理
播種後は、
クリアファイルをかぶせて軽く保湿
完全密閉ではなく、
「乾きすぎない・蒸れすぎない」バランスを意識しています。
ラケナリア属は
湿度が足りなくてもダメ、
多すぎても即トラブル、
という意外と繊細なグループです。
今後の目標
初年度の目標はシンプルです。
・発芽する
・無事に葉を出す
・夏を越す
花はまだ先。
急がせる気はありません。
冬雨環境を再現できれば、ラケナリアは素直。
あとは、静かに待つだけです。
好光性種子の発芽に必要な光の色
















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