発芽しても枯れたので、今度はちゃんと調べてから播いてみる
キフォステンマは、一度発芽までは行ったのに、その後あっさり枯れてしまいました。
発芽した瞬間は毎回うれしいのですが、植物はそこからが本番です。
むしろ実生は、発芽がゴールではなく、ようやくスタート地点に立っただけということを、毎回忘れたころに思い出させてくれます。
というわけで今回はリベンジ。
しかも選んだのは Cyphostemma quinatum。
あまり流通していなさそうな種類で、情報も多くありません。
つまり、いつものように「買ってから調べる」研究型実生の始まりです。
まずは正体確認
ただのつる植物っぽいのに、どうも様子がおかしい
Cyphostemma quinatum はブドウ科(Vitaceae)キフォステンマ属の植物です。
Kew の POWO では、東ケープから南モザンビークにかけて分布する climbing subshrub / climbing shrub とされています。
要するに、基本は登る低木〜つる性木本寄りの植物です。
見た目だけ聞くと、
「ブドウ科のつる植物なんだね」
で終わりそうですが、キフォステンマ属はそこから一癖あります。
この属全体の面白さは、ブドウ科なのに塊根・多肉方向へ進化している種が多いこと。
昔は Cissus 側に含まれていたグループですが、現在は別属として扱われています。
属全体として、熱帯〜亜熱帯に分布しながら、塊根性や多肉化するものがある、なかなか変な一団です。
なので quinatum も、ただのつる植物として見るより、
地下や基部に備蓄側の性質を持つかもしれない植物
として読んだ方が面白い。
ただし、ここは大事ですが、quinatum 単独で「明確な塊根を必ず作る」と断定できる一次資料は今回確認できていません。
このあたりは、期待しつつ観察していくしかなさそうです。
自生地から逆算してみる
乾燥地キフォステンマとは少し違う顔かもしれない
POWO での分布は E. Cape Prov. to S. Mozambique。
この範囲は、南アフリカ東側からモザンビーク南部にかけての、比較的暖かく季節性のある亜熱帯環境にかかります。
つまり、乾燥地のキフォステンマみたいに
「真夏の灼熱乾燥どんと来い」
という感じではなさそうです。
むしろ、
- 暖かい時期に動く
- 冷えを嫌う
- 過湿にも弱そう
- でも完全な砂漠植物ほどの極端な乾燥適応ではないかもしれない
このあたりを想定して、夏型寄りとして扱うのが自然に思えます。
この「キフォステンマだけど、思ったより亜熱帯寄りかもしれない」という立ち位置が、かなり面白いところです。
名前も少し気になる
quinatum の “5” 感
属名 Cyphostemma は、ギリシャ語由来で、ざっくり「こぶのある花冠・花序」みたいなニュアンスを持つとされます。
そして quinatum は文脈的には「5つ組」「5枚」「5数性」を示すラテン語系の語尾っぽく読めます。
ブドウ科は葉や花のパーツ数が観察ポイントになることも多いので、
“5” に関係する形態が名前に反映されている可能性 は高そうです。
ただし、ここも命名意図を直接説明した一次資料は確認できていないので、これはあくまで推測。
植物名は、たまに「いかにもそう見えるのに違う」こともあるので油断できません。
種はどんな感じか
ウターに似ている。でもちょっと大きい
今回届いた種は、ぱっと見では Cyphostemma uter とかなり似た印象でした。
ただし、一回り大きい感じがあります。


同属だから似るのは当然ですが、
こういう「似てるけど何か違う」があると、ちょっとテンションが上がります。
人間は比較対象があると急に観察者ぶれるので便利です。
まずは果肉除去
前回の反省をちゃんと生かしたい
前回、発芽してから腐った件で学習したのは、
果肉が残ると、芽が出てもその後でやられやすい
ということでした。
なので今回は、まず メネデールで浸漬して果肉を柔らかくし、取り出してから果肉をしっかり除去。


この作業、地味ですがかなり大事です。
種まきは派手なドラマより、こういう地味な下処理で勝負が決まることが多い。
華やかな発芽写真の裏で、実際にやっていることは
「果肉をこそげる」
だったりします。


園芸はだいたいそうです。
前回の反省で、果肉が残ると芽が出ても腐ってしまうことを学習したので徹底的に落とします。


そして違和感
一粒だけ、どう見ても仲間じゃない
処理して並べてみると、一粒だけ明らかに違う種が混じっていました。
絶対違う。
どう見ても違う。
同じ集合写真に紛れ込んだ転校生みたいな違和感です。
でも、こういうときに限って意外と面白いものが出たりするので、もうこれはこれで播いてしまいます。
正体不明枠、嫌いじゃありません。
スカリフィケーション
今回は先端以外に筋の部分も吸水性を上げるために少しナイフで削りました。




殺菌処理
今回はベンレートT 2時間


果肉除去後は ベンレートTに2時間浸漬。
前回の失敗を踏まえると、果肉残りを減らしたうえで初期腐敗を少しでも抑えたい。
もちろん、薬剤処理は強ければいいという話ではないので、本当はここも今後比較したいところです。
ただ今回はまず、前回より清潔に、前回より腐らせにくく を優先。
実生は理想論だけでは進まず、前回の失敗に対して何を一つ変えるか、の積み重ねだと思っています。
播種。
いつも通り、でも今回は少し期待している
その後、播種。
完全に仲間はずれが一粒いますが、何が出るかはそれはそれで楽しみです。


発芽までは、いつも通り クリアファイルをかぶせて湿度を維持。
ただし、今回は「出れば勝ち」ではなく、出たあとも生かす を意識したい。




キフォステンマは、発芽した瞬間にこちらを喜ばせて、その後しれっと脱落させてくるところがあります。
今回はそこを越えたい。


この種の面白さ
情報が少ないからこそ、育てる価値がある
Cyphostemma quinatum の厄介なところは、種単独の詳しい栽培一次情報が少ないことです。
発芽条件、休眠のクセ、受粉生態まで踏み込もうとすると、かなり資料が薄い。
でも逆に言えば、そこが面白い。
情報が多い植物は、ある意味で「答え合わせ」ができます。
情報が少ない植物は、観察したことそのものがデータになる。
だからこういう種は、
育てるというより、半分研究です。
まとめ
今回はちゃんとリベンジしたい
キフォステンマは以前、発芽しても枯れてしまいました。
だから今回は、その反省をちゃんと入れたうえで Cyphostemma quinatum に再挑戦。
- 自生地を確認
- 夏型寄りと仮定
- 果肉を徹底除去
- ベンレートTに2時間浸漬
- 播種して湿度管理へ
流れとしてはこんな感じです。
ブドウ科なのに塊根・多肉文脈で見られる、ちょっと変な立ち位置。
しかも資料が少ない。
だからこそ、かなり面白い。
今回は、発芽だけで終わらず、その先までちゃんとつなげたいところです。
とりあえず今は、
仲間はずれの一粒も含めて、何が出るのかワクワクしながら待ちたいと思います。
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