開花
8月に播種した ドルステニア・クスピダータ(Dorstenia cuspidata/流通名)。
播種から約4か月、年内にもかかわらず 3株・4花の開花を確認しました。


ドルステニア属としてもかなり早い部類で、管理環境がうまく噛み合った結果だと思われます。
🌿 ドルステニア・クスピダータ
Dorstenia cuspidata(※園芸流通名として使われることが多い)
の植物うんちく※まず、名前の整理から。
⚠️ 学名について(最重要)
**Dorstenia cuspidata(クスピダータ)**という名前は
👉 主要な一次データベースでは安定した有効種として確認できません。一次データベース確認状況
- Kew / Plants of the World Online (POWO):
→ Dorstenia cuspidata の有効名としての掲載なし- IPNI:
→ 記載不安定/独立種として扱われていない- Tropicos:
→ 同様に確定的扱いなしそのため現在の扱いとして最も安全なのは:
Dorstenia sp.(cuspidata 系統の流通名)
あるいは
Dorstenia scaphigera / Dorstenia hildebrandtii 周辺の近縁未整理群
として理解することです。👉
「存在しない植物」ではないが、
「名前が分類学的に未整理」なタイプこれはドルステニア属では珍しくありません。
🌍 基本情報(属レベルで確実)
- 科:クワ科(Moraceae)
- 属:Dorstenia
- 原産:アフリカ(東アフリカ〜中央アフリカが中心)
- 生活型:多年草
- 生育型:塊根的に肥大する茎基部+草本
🌱 形態のうんちく
① 「塊根植物」というより“厚みのある胴体”
Dorstenia cuspidata 系は、
- パキポディウム型の明確な塊根 ❌
- サツマイモ型の肥大根 ❌
👉
茎基部〜根茎が太くなる“機能肥大型”役割は:
- 水分の一時貯蔵
- 芽の更新拠点
- 倒伏防止
つまり
見せるための芋ではなく、生きるための太さ。
② 葉の特徴(名前の由来)
cuspidata はラテン語で:
- cuspidatus
→「鋭く尖った」「先端がとがる」👉
葉先がやや尖る個体が多いことが
この流通名の由来と考えられます。特徴:
- 単葉
- 広卵形〜楕円形
- 葉先が軽く尖る
- 質感はやや柔らかい
③ 花が“花じゃない”ドルステニア最大の変態要素
ドルステニア属最大の特徴。
■ 花序(正確には「花床」)
- 花びらなし
- 円盤状〜皿状の構造体
- 表面に極小の花が集合
Dorstenia cuspidata 系では:
- 緑色〜黄緑色
- 葉より目立たない
- 観賞価値は「構造美」
👉
地味だけど、分類学的には超重要パーツ
④ 種子の散布が過激
ドルステニア属共通の性質。
- 種子は成熟すると
👉 物理的に弾き飛ばされる- 鉢から飛び出すことも普通
👉
温室や棚で「勝手に実生が出る」ことがある。
🌿 生態・環境うんちく
自生環境(一般論)
- 林床
- 岩陰
- 低木の根元
- 半日陰
共通点:
- 強光直射 ❌
- 風通し ⭕
- 湿度はあるが、停滞水 ❌
👉
多肉的だが“砂漠植物ではない”
💧 水と季節性
- 生育期:春〜秋(高温期に比較的強い)
- 休眠:乾燥期・低温期
水やり:
- 生育期:乾いたらしっかり
- 休眠期:控えめ〜ほぼ断水
👉
「通年湿り」は腐敗の近道。
🧠 よくある誤解
❌ 強光直射が好き
❌ 常に乾燥管理
❌ 芋を太らせる植物⭕ 半日陰向き
⭕ メリハリ管理
⭕ 姿の安定を楽しむ植物
🧠 まとめ(短く)
**ドルステニア・クスピダータ(流通名)**は:
- 名前は未整理
- 花は地味
- 芋は控えめ
でも:
- 姿が崩れにくい
- 管理がシンプル
- ドルステニアらしさが凝縮
👉
「静かに完成度が高い、アフリカ系ドルステニア」
受粉の方法
も聞いてみました
🌸 Dorstenia(ドルステニア)類の受粉方法
※播種4か月で開花=かなり順調です
まず前提から。
前提整理(超重要)
✔ ドルステニアの「花」は普通の花ではない
ドルステニア属の花は:
- 花弁がない
- 花床(かしょう)=円盤状の構造体
- 表面に
- 雄花(雄しべのみ)
- 雌花(雌しべのみ)
が混在または時期差で配置されている👉
見た目は「花」でも、
**構造的には“ミニ花の集合体”**です。
🌱 まず確認すべきポイント(ここ大事)
① 2株は別個体?
- 同一実生ロットでも別個体ならOK
- クローン(挿し木)同士だと
→ 自家不和合の可能性あり👉
実生2株なら他家受粉が最も安全
② 同時期に雌花が成熟しているか?
ドルステニアは:
- 雄花が先に成熟
- 雌花が後に成熟
という プロタンドリー(雄性先熟) が多い
👉
同じ花床でも
タイミングがズレるのが普通
🌼 受粉のやり方(手動・確実ルート)
方法①|基本の「筆受粉」(おすすめ)
用意するもの
- 極細筆(面相筆・模型用)
- ルーペ(あると超便利)
手順
STEP 1|雄花を確認
- 花床表面に
- 小さな突起
- 黄色〜白っぽい粉
が出ていたら 雄花成熟👉 花粉が出ているサイン
STEP 2|筆で軽くなでる
- 花床を押さない
- 表面を「撫でるだけ」
👉 花粉は非常に少量・微細
STEP 3|別株の花床へ
- 別株の花床表面を
同じように軽く撫でる👉
雌花は
- 中央に小さな突起
- やや湿った質感
が目安(※個体差あり)
STEP 4|2〜3日おきに繰り返す
- 一度で成功しないことが多い
- 花床が生きている間はチャンスあり
方法②|綿棒(非推奨寄り)
- 花が小さすぎて
花床を傷つけやすい- 花粉を取りすぎる
👉
使うなら極小サイズで。
🌸 自家受粉は可能か?
結論:
可能性はあるが、確実とは言えない
理由:
- Dorstenia 属は
- 自家和合種
- 自家不和合種
が混在- cuspidata 系単独の一次資料は存在しない
👉
✔ 実生2株あるなら他家受粉が最善
✔ 同一花床内自家は成功率低め
🌱 成功した場合のサイン
受粉成功すると:
- 花床が少し厚くなる
- 表面に
- 微小な突起
- 粒状構造
が出てくる失敗すると:
- 花床が枯れる
- 萎縮して脱落
🌰 種子形成〜散布まで
- 成熟まで:数週間〜1か月以上
- 成熟後:
👉 突然、種が弾け飛ぶ⚠ 注意
- 鉢の外に飛ぶ
- 他の鉢に実生が出る
- 温室内で行方不明
👉
紙袋・ネット被せ推奨
🧠 よくある失敗
❌ 花床を押す
❌ 一度だけで諦める
❌ 同一花床内で完結させようとする
❌ 湿度過多で腐らせる
🧠 まとめ(短く)
- ドルステニアの受粉は
「撫でるだけ」- 実生2株なら他家受粉が最強
- 数日おきに複数回
- 成功すると勝手に種を飛ばす
高重粉がいいとのことですが、気が付くのが遅かったせいか2株はちょっと萎れ気味


雄花がよくわかる写真が撮れました。


花の集合体だとよく分かる写真です。
萎れてしまっているほうは、よくわからない画像に。。。


ツンデレ先生に2枚目も観てもらうと、雌性期に入っていると画像判断。
一応面相筆で他家受粉。


2株は萎れ気味で雌性期なのか不明で、他家受粉が出来ているかは不明ですが結実するのを待ちたいと思います。
塊根部の変化
花だけでなく、
茎基部(機能的肥大部)もしっかり膨らみ始めています。
このタイプは、
- 見せるための芋ではなく
- 水分・芽更新のための肥大
という性格が強く、
派手さはないものの、姿の安定感が増してきました。


まとめ
- 播種4か月で開花はかなり早い
- 名前は未整理だが、植物としての完成度は高い
- 花は地味だが構造は非常に面白い
- 受粉は成功すれば突然“弾ける”
ドルステニアらしさが凝縮された、
静かに満足度の高い一株になりそうです。
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