ビスマルキア ノビリス シルバー(Bismarckia nobilis)

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まとめ:「ヤシの形をした、熱帯雨林の哲学」

ヨハネステイスマニア・アルティフロンズは

  • 速さより持続
  • 派手さより安定
  • 光より湿度
  • 成長より生存

っていうタイプ。

発芽も、育成も、たぶん急ぐと負ける。
でも、環境がハマったときの“説得力”はとんでもない。

というわけで、今回もやることは一つ。

待つ。覗く。待つ。
(たまに換気。菌に勝つ。以上)

発芽が動いたら、また記録します。

—「ヤシの実生は祈り」って言った人、だいたい正しい—

Seedstockさんから購入した ビスマルキア・ノビリス(Bismarckia nobilis)シルバー の種子。
いわゆる“置いたら勝ちヤシ”の代表格で、あの銀葉の迫力は反則級です。

ただし実生は、甘くない。
ヤシは全体的に 発芽が遅い・ムラが出る ことで有名で、UF/IFAS(フロリダ大の園芸ガイド)でも「遅くて不均一」「100日超&総発芽率20%未満の種が25%以上いる」と書かれているくらいです。
つまり今回も、最初にやるべきは「期待の調整」。テンションは上げる、心はフラット。これが大人。

まず“自生地のイメージ”を作る

今回は iNaturalist でフリー素材(写真提供:jeanpaulboerekamps)を見つけたので、雰囲気を掴むところから。
写真を見る限り、低い草が生えている場所にポツポツ立ってる感じ。

  • 地表は草が多い
  • 下は枯草で覆われている 可能性が高い(※ここは推測)
  • でも水が溜まってヌメる場所ではなさそう

この「表面は有機物があっても、停滞水は嫌」というニュアンス、ヤシあるあるです。

今回の方針:「冬のジップロック方式」を室内で再現する

ソテツで学んだ ジップロック方式(保温+保湿+清潔)を、冬場に再現するために選んだのがこれ。

  • タッパー(簡易インキュベータ)
  • ヒーターマット(温度の心臓)
  • マジカルポット(個別管理の枠)
  • 水苔(保湿担当)

温度は高めで勝負。
ビスマルキアの発芽は 90–100°F(約32–38℃) が推奨として挙げられ、発芽まで 6〜12か月かかることもある とされています。
最初から言われます。「長期戦だぞ」と。

種の下処理:果肉、いる?いらない? → いらない(断言)

種を見たら「果肉が残ってる」気配があったので、ここは丁寧に。

① メネデール+ベンレートT水溶液に1時間浸漬

浸けたら、果肉がふやけて「残ってるのが分かる」状態に。

② 洗う → こそぐ(デザインナイフ出動)

ここでの感想:
果肉って、残ってると “カビの苗床” になります。
UF/IFASのヤシ種子ガイドでも、果肉(mesocarp)は基本的に 除去が必要 とされています。
(※例外もあるけど、今回みたいな長期保温管理では特に“清潔が正義”)


タッパー+ヒーターマット:冬の疑似・熱帯

培地:水苔を採用(ただし“濡れ”じゃなく“しっとり”)

今回は「枯草層のイメージ」と「冬の保湿安定」を優先して水苔へ。

  • 水苔はよく洗う
  • ベンレート水で軽く殺菌
  • 長期・高温(30℃台)で回すので、菌の持ち込みを減らす
  • 手袋も着用(気分じゃなくて、事故率を下げるため)

こういうときの清潔操作、効きます。精神にも。

置き方:水苔にくぼみ→そのまま置く

水苔にくぼみを作って、種をセット。
ここで大事なのは「密閉しすぎない」こと。湿度は欲しいけど、蒸れは敵。

ヒーターマットで 32℃前後 を狙って設定。
軽くフタをして、あとは待つ。

ちなみに、ヤシの発芽温度は全体に高温域が効きやすく、Bismarckia nobilis も “30℃以上” 側の管理に寄せる整理がされています。

ダイソー資材が“地味に主役”だった話

今回、タッパーとヒーターマットの接触面積を増やすために、
底面の角の出っ張りを 超音波カッターで削り取り

ここ、正直おもしろポイント。

  • 植物育成なのに工作が始まる
  • “発芽率を上げるための加工”が、家庭の工具で行われる
  • そして削った瞬間、なぜか「勝った気がする」

勝ってません。まだ何も出てません。
でも、こういう「温度ムラを減らす努力」は地味に効きます(少なくとも事故率を下げる方向)。

ここで改めて:ビスマルキア・ノビリスうんちく(短く濃く)

どんなヤシ?

マダガスカル原産の単幹ヤシ。景観価値が高く、銀葉が象徴。

銀葉の正体

葉の表面にのるワックス層(ブルーム)由来で、光を反射して“シルバー感”が出ます。
(※光が弱い環境だと、見た目の迫力が落ちやすいのはこのへんの理屈と相性がいい)

花と受粉:雌雄異株

雌雄異株なので、オス株とメス株が別。1株だけで種が取れる前提ではないです。
まずは育てる。話はそれから。

🌴 シルバーが出る仕組み

ビスマルキアの銀色は:

  • 葉の表面に形成される
    ブルーム(蝋質ワックス層)
  • 役割は
    • 強光反射
    • 葉温低下
    • 乾燥耐性UP

つまり👇
「光が強いほど、自己防衛で銀が濃くなる」

逆に:

  • 光が弱い
    → ワックス不要
    緑に戻る

可能性が高い。


☀️ シルバーを濃く出す光管理

① 実生〜幼苗期(最重要)

目標:徒長させず、でも焼かない(なんか夏の日焼け止めのCM見たい(笑))

項目条件
明るい直射 or 強い散乱光
直射朝〜昼前OK
遮光真夏は30〜40%
期間毎日一定

🔴 NG

  • 室内LEDのみ
  • 曇天続き+弱光

👉 この時期に弱光だと
一生シルバーが弱い個体になりやすい。


② 若株(葉が扇状になり始めたら)

ここで一気に銀が乗る

項目条件
屋外フルサン寄り
直射6〜8時間
遮光真夏のみ30%
必須

👉 風がないと
葉焼け → ワックス形成失敗


③ 成株

  • 基本フルサン
  • 日照が足りないと
    新葉から緑化

👉 一度緑化した葉は
銀に戻らない(これ重要)。

※ 冬に暗いと
翌年の新葉が緑寄りになる。


💧 水・肥料との関係(勘違い多い)

  • やや乾き気味が◎
  • 常湿だと
    → 葉が柔らかく
    → ワックス薄くなる

肥料

  • 多肥=緑化
  • 特に窒素多いと
    👉 銀が死ぬ

👉 肥料は
薄く・少なく・生育期のみ




ひとことでまとめ

ビスマルキアのシルバーは
「光に耐えた勲章」

守るべきは:

  • 強光
  • 乾き気味
  • 急変させない

Jean-Paul Boerekampsさんによる
 何の権利も保有しない
の写真なので加工もOK。インスタもOK

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