去年播種したアフリカ藤。
発芽率もよく、かなり順調でした。


最初は。
そう、最初は。
結果から言うと、全滅です


原因は分かっています。
赤い色の憎いやつ。
全然いとしくない。
冬に夏型寄りの実生へ、元気そうだからといって殺虫剤を油断してかけてはいけない。
これは今回、身をもって学びました。
「まあ大丈夫でしょ」
この園芸における魔のひと言。
だいたい大丈夫じゃありません。
我が家の実生株は、かなり壊滅的な被害を受けました。
今日より明日なのじゃ。(種もみおじ)
バット「あの種もみは育つかな・・・」
リン「爺さんの屍を肥やしにしてな。」
ということで気を取り直して種を購入。
今回は @seedstock_jp さんの種です。


ついでに、気持ちを切り替える意味でタグのフォントも変えてみました。
園芸において、タグのフォント変更は実質メンタルリセットです。
まずはおさらい。アフリカ藤とは?
アフリカ藤の学名は Bolusanthus speciosus。
分類はマメ科 Fabaceae。
英名では African wisteria tree や Tree wisteria と呼ばれます。
和名・流通名としては、
アフリカ藤
アフリカフジ
アフリカンウィステリア
あたりで呼ばれることがあります。
ただし、ここで大事なのは、アフリカ藤は本物のフジ属 Wisteria ではないということです。
名前に「藤」と入っていますが、つる植物として藤棚を作る日本の藤とは別物。
藤のような紫色の花を咲かせる、アフリカ産のマメ科樹木として見た方が分かりやすい植物です。
Kew POWO では Bolusanthus speciosus は受理名とされ、南部熱帯アフリカ〜南部アフリカに分布する樹木で、主に亜熱帯バイオームに生育するとされています。
名前の speciosus は、ラテン語系で「美しい」「華やかな」という意味です。
これはかなり納得。
アフリカ藤の花は、紫〜藤色の房状の花。
「美しい」と名付けられるだけの説得力があります。
生息地から考えるアフリカ藤
Kew POWO では、原産範囲は South Tropical & Southern Africa。
つまり南部熱帯アフリカ〜南部アフリカです。
SANBI PlantZAfrica では、Bolusanthus speciosus は南部アフリカの wooded grasslands、つまり樹木のある草原〜疎林的な環境に広く見られ、アンゴラやザンビア方面から南アフリカの KwaZulu-Natal まで分布すると説明されています。
ジンバブエ植物データでは、分布国として Botswana、Malawi、Mozambique、Zambia、Zimbabwe、さらに南アフリカの Limpopo、Mpumalanga、KwaZulu-Natal などが挙げられています。生息環境は open woodland and wooded grassland、花期は 8〜11月とされています。
つまり、ざっくり読むと、
乾いた草原
疎林
サバンナ的な環境
明るい場所
季節性のある環境
このあたりがキーワードになりそうです。
日本の室内で「観葉植物です」と言いながら日陰に置くタイプではなさそう。
どちらかというと、日光をしっかり浴びて、暖かい時期にぐんぐん動く樹木として見た方が自然です。
栽培に落とすとどうなるか
自生地情報から考えると、アフリカ藤はかなり明るい環境を好む植物と考えられます。
育て方としては、
日光はかなり必要
水はけ重視
過湿は避けたい
暖かい時期によく動く
冬は落葉・低温注意
幼苗は特に寒さに弱めに見る
このあたりを意識した方がよさそうです。
去年の自分に言いたい。
「冬に元気そうだからって、夏型寄りの実生を攻めるな」
本当にこれです。
実生苗は、見た目が元気でもまだ体力が少ない。
しかも暖かい地域の樹木なら、冬は思っている以上に守りが必要です。
播種の情報を確認
SANBI PlantZAfrica では、種子は川砂を入れた容器に播き、細かい砂で軽く覆うとされています。播種深度は種子の直径より深くしないこと、発芽後は2枚目の葉が出た頃に移植できると説明されています。
これはかなり重要です。
深く播きすぎない。
水はけのよい用土。
発芽後、ある程度葉が出てから移植。
つまり、最初から豪華な培養土でぬくぬく過保護にするより、砂っぽい環境で清潔に発芽させる方が理にかなっていそうです。
海外の種子販売系情報では、ぬるま湯に24時間浸漬してから播く方法が紹介されることもあります。これは販売者情報なので一次情報より信頼度は下げて見ますが、マメ科の硬い種子という点を考えると、吸水促進としてはかなり自然な方法だと思います。薄めの肥料を少し。
iPlantz では、マメ科の窒素固定樹として、栄養の乏しい土でも育つことがあると説明されています。
今回の播種プロトコル
今回の流れはこんな感じです。
まず種子を確認。
傷、カビ、極端に軽いものがないか見ます。
その後、メネデールとベンレートTの水溶液で一晩浸漬しました。


前回もそうだったと思いますが、アフリカ藤の種は水を吸うとかなり膨らみます。
翌日には、ふっくりんこ。


この「ふっくりんこ」が見えると、ちょっと安心します。
種が水を吸っただけなのに、もう半分勝った気になります。
もちろん、園芸ではここから普通に負けることがあります。
そして播種。
用土は水はけ重視。
覆土は深すぎないように。
発芽までは乾かしすぎないようにしつつ、蒸らしすぎないように注意。


今回はそのままクリアファイルをかぶせて発芽を待ちます。
クリアファイル、便利です。
高級温室ではありません。
でも、実生界の庶民派ドームとしてかなり優秀です。
アフリカ藤の育て方メモ
光
かなり明るい場所向きだと思います。
樹木として育てるなら、基本は日当たり重視。
室内の暗い場所では徒長しやすそうです。
ただし、発芽直後の実生苗にいきなり強光は怖いので、最初は明るい日陰〜柔らかい光からスタート。
葉が増えてきたら少しずつ日光に慣らしていくのが安全だと思います。
水
生育期は乾いたらしっかり。
ただし、常時湿りっぱなしは避けたいです。
実生初期は乾燥で止まりやすい。
でも過湿で腐ることもある。
つまり、いつものやつです。
乾かしすぎてもダメ。
濡らしすぎてもダメ。
園芸、だいたいこの二択の間で人間が反復横跳びしています。
用土
SANBI では、川砂・ローム・堆肥を等量にした用土がよいとされています。
鉢植えで考えるなら、
赤玉小粒
軽石小粒
川砂または日向土
少量の腐葉土やバーク堆肥
このあたりで、排水と少しの保水・栄養を両立する感じがよさそうです。
温度
暖かい地域の樹木なので、幼苗は特に低温注意。
冬は室内、温室、軒下などで霜を避ける。
特に実生1年目は無理をさせない方が安全です。
去年の私はここを少し甘く見ました。
そして赤い憎いやつにやられました。
もう同じ轍は踏まない。
踏まないと言いながら、園芸家はたまに別の轍を踏みます。
肥料
マメ科なので、過剰な窒素肥料は必要ないかもしれません。
ただし鉢植えでは養分切れもあるので、生育期に薄めの肥料を少し。
特に幼苗期は、強く効かせるより、根と幹をじっくり作る方向でいきたいところです。
今回の反省点
去年は発芽まではかなり順調でした。
発芽率も良く、育ちも悪くなかった。
そこまでは完全に勝った気でいました。
しかし、実生は発芽がゴールではありません。
発芽はスタート。
本葉が出てもスタート。
冬を越して、ようやく「少し育ったかも」と言えるくらい。
特にアフリカ藤のような暖地性の樹木は、冬の扱いがかなり大事だと思います。
今回の教訓はこれ。
冬に夏型寄りの実生へ余計なことをしない。
元気そうでも油断しない。
赤い色の憎いやつは慎重に。
実生苗は大人株よりずっと弱い。
冬は攻めるより守る。
植物は沈黙しています。
でも失敗した時だけ、結果でめちゃくちゃ語ってきます。
今回の目標
今回の目標は、発芽だけではありません。
発芽させる。
本葉を出す。
夏に育てる。
冬に守る。
翌春に生きていてもらう。
ここまで行って、ようやくリベンジ成功です。
アフリカ藤は、うまく育てば紫〜藤色の美しい花を咲かせる樹木です。
speciosus、「美しい」という名前を持つだけのことはあります。
いつか自分の株で花を見る。
そのために、まずは種から。
種もみを握りしめて、もう一度やり直します。
そのまま、クリアファイルをかぶせて発芽を待ちたいと思います。
ひっそりご報告
そして、ここでひっそりご報告です。
3Dプリンターを購入しました。
いや、急に何の話だと思うかもしれません。
アフリカ藤の播種記録を読んでいたら、突然の3Dプリンター。
植物ブログなのか、実生記録なのか、ものづくり日記なのか。
だいぶ情緒が忙しい展開です。
でも、前からずっと気になっていたんです。
植物タグ。
鉢周りのパーツ。
実生管理用品。
撮影小物。
そして、植物をモチーフにした擬人化キャラクターのフィギュア作り。
植物を育てていると、いつの間にか「この株、キャラが立ってるな」と思う瞬間があります。
黒いハオルチアは黒騎士っぽい。
ビカクシダは天使の翼っぽい。
塊根植物は古代の守護者っぽい。
アフリカ藤は、いつか紫の花をまとった樹木の精霊みたいにできそう。
そうやって勝手に頭の中で植物がキャラクター化していくわけですが、
3Dプリンターがあれば、その妄想を実物として形にできるかもしれません。
つまり、植物を育てるだけでなく、
植物からキャラクターを作り、
キャラクターからフィギュアを作り、
そのフィギュアを植物と一緒に撮影する。
だいぶ沼が立体化してきました。
今後は、植物管理に使える実用品だけでなく、
植物擬人化キャラクターの小物やフィギュア制作にも挑戦していきたいと思っています。
そして何より、ここでしっかりお礼を言わせてください。
いつもブログを読んでくださっている皆さん、
そして、当ブログのAmazonリンク経由でお買い物をしてくださった皆さん、
本当にありがとうございます。
皆さんがAmazonリンクから購入してくださった際に発生する紹介料を、今回の3Dプリンター購入費用の一部として使わせていただきました。
正直、めちゃくちゃありがたいです。
種を買い、鉢を買い、用土を買い、
そしてついに、植物棚の横に3Dプリンターがやって来ました。
皆さんの応援が、植物棚の端っこで謎の装置として具現化しました。
この装置から、
植物タグが出るのか、
鉢パーツが出るのか、
擬人化フィギュアが出るのか、
それとも失敗した謎の樹脂の塊が出るのか。
それはまだ分かりません。
ただ、少なくとも今後の植物趣味が、少しだけ立体的になりそうです。
改めて、本当にありがとうございます。
いただいた応援は、植物管理やブログ制作、そして植物擬人化フィギュア作りにも活用させていただきます。
※当ブログではAmazonアソシエイト等のアフィリエイトリンクを使用する場合があります。リンク経由で商品をご購入いただくと、運営者に紹介料が入ります。購入者の追加負担や購入金額が変わることはありません。
まとめ
アフリカ藤 Bolusanthus speciosus は、藤のような美しい花を咲かせる、アフリカ産のマメ科樹木です。
ただし、本物の藤ではなく、つる植物でもなく、樹木。
日当たり、水はけ、暖かさを意識して育てる植物です。
去年は全滅しました。
原因は分かっています。
だから今年は、反省を込めてリベンジです。
種は膨らみました。
播種もしました。
あとは待つだけ。
発芽して、育って、冬を越して、いつか花を見る。
そしていつか、アフリカ藤の擬人化フィギュアも作るかもしれません。
紫の花をまとった、アフリカの樹木の精霊。
いや、言い方を変えると、またひとつ作業が増えました。
その日まで、今日より明日。
今年のアフリカ藤、再スタートです。
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